「西郷村学校施設等長寿命化計画策定業務」完了に伴う 県南方部報告会について
2021.4.154/8(木)17時30分より白河市内で、令和2年度の受託業務である標記業務完了に伴う報告会を開催しました。当日は、当該業務の学校施設劣化度調査に協力いただいた県南方部会の組合員が一堂に会し、総合調整を行った鈴木建築設計事務所:鈴木代表から報告書の概要説明を受けました。
本業務は一般的に大手コンサル等に委託されている業務ですが、西郷村の学校施設の多くが地元設計事務所で設計・工事監理、耐震診断・改修設計、劣化度調査・定期報告等を行っていること、また、その多くが当組合員であることなどの理由から、発注者から本計画策定の委託先として適していると判断されました。
昨年7月上旬に業務受託し全体作業工程を監督員と協議した後、県南方部会を開催し対象施設9施設(幼稚園、小学校、中学校)を県南方部組合員6者(チーフ:鈴木建築設計事務所、作業協力:斎藤建築設計事務所、鈴木伸幸建築事務所、タック構造設計、辺見設計、渡辺建築設計事務所)協力体制の下で実作業(全体調整、個別施設劣化度調査等)の役割分担等を決定し、作業を進めてきました。
作業工程表には、担当課及び各学校施設との協議日程や組合事務局及び県南方部会との打合せ日程、作業進捗状況に応じた関係機関調整・説明等を記載の上、進捗状況確認を行いました。
作業工程表
学校施設等の長寿命化計画については、文部科学省作成の「学校施設の長寿命化策定に係る手引き」及び「学校施設の長寿命化策定に係る解説書」を参考に、学校施設等について施設毎の劣化診断・施設評価を実施して現状の把握・分析を行い、今後の維持保全の方向性を検討し、施設整備の方針を策定することとされています。
本計画策定の全体概要ですが、はじめに保有している学校施設の現状分析(児童数・学級数動向、施設劣化度・維持管理状況等)を行い、建築年次別の整備状況を把握した上で、今後の維持・更新コスト(従来型:40年建替え)を算出します。次に施設毎の構造躯体健全性の判定や老朽化状況を調査・評価し、健全度に応じ大規模改造(築20年超)、長寿命化改修(築40年超)、改築等の時期を設定して、今後の維持・更新コスト(長寿命化型:80年建替え)を算出します。なお、維持・更新コストの算出には文科省ソフトを活用しています。
なお、維持・更新コストは今後40年間の総額及び年度毎の経費を算出していますが、長寿命化型でも過去の年間施設関連経費の支出と比較し2.7倍となっています。このことから、大規模改造、長寿命化改修、改築等の時期設定をさらに見直し、今後の維持・管理コスト(長寿命化型見直し)を2.5倍まで引き下げています。また、直近5年間の整備計画は予算確保の観点から過去の年間施設関連経費の範囲内での経費計上(施設整備費、維持修繕費、光熱水費・管理委託費、調査委託費)としています。鈴木代表の報告から組合員間では新分野業務ではあるが、十分に組合対応できる業務であることが確認されました。
表紙、計画の構成
築年別整備状況、維持・更新コスト(従来型)
老朽化状況評価、構造躯体の健全性・劣化度評価
維持・更新コスト(長寿命化型)、維持管理方針(40年から80年)